さくらちゃん
さくらちゃんは私が高校生のころ飼ったこざくらいんこでした。雛から育てて最初は愛らしくて、かわいらしいしぐさをたくさんみせてくれました。

たとえば、母のエプロンのポケットがお気に入りでそこから顔だけ出しているとか、ラジオの細いアンテナで綱渡りとか、

紙を細長くちぎって自分の尾っぽにたくさん差して歩きまわるとか。

でも、いつの間にか非常に凶暴で手に負えないお嬢様に変貌してしまいました。 

暴走してた弟にさえ「チーチー」とかわいく鳴いてみせて かごから出してもらうと、その手にくいつき 高いところに飛んでいってしまうという、邪悪さ。

気に入らないえさをひっくり返す、餌箱をガンガンならして人を呼ぶ。もう、人の手にはおえなくなったので ここは、鳥として幸せになってもらおう、

ということになり小鳥屋で見合いをさせました。しかし、あまりにも気が強く、合う相手がいないと そこのおやじに言われてあきらめました。

(さくらと見合いしたオスはどの子も血を流していたのです。)

なんとなく、そこでつがいのこざくらいんこを買ってしまってさくらのかごの横においておきました。

しばらくしたら、そのメスが突然死んでしまって。 さくらちゃんに突然のチャンスがやってきたのです。

同じかごに入れるとさくらちゃんは体をピタッと寄せて それは気に入った様子。

しかし、オスの方は自分で自分の羽をむしるようになってしまって 頭以外は毛無しになってしまったのです。

病院に連れていくと、ストレスが原因だといわれました。

その日から、オスはエリマキと家族に呼ばれるようになりました。(エリマキとかげみたいなのをさせられてきたから)

でも、さくらちゃんは幸せになりました。たまごも産みました。(捨ててあったけど)

10年以上たって実家から「さくらちゃん危篤」の電話が。行ってみると、さくらちゃんはもう亡くなっていました。

エリマキが突然死んでしまったら さくらちゃんがその横に腰を抜かしたようにしていたそうです。

そのうちに、だんだん弱ってあっという間に亡くなったみたいです。ラブバードってほんとだったんですね。

今でも実家に行くとさくらちゃんのくちばしの跡が付いたアルバムとかあって 

そのたびに母と「あっ、さくらの後だね。」といって さくらちゃんを思い出すのです。

Top